「副業を始めたいけれど、開業届を出すのはちょっと不安…」
「税金や社会保険のことがよく分からず、個人事業主になるのは避けたい…」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
実は、副業でも個人事業主にならずに収入を得る方法はあります。
ポイントは、「収入の性質」と「活動の継続性」に注意することです。
正しい知識を持てば、煩雑な手続きや会社にバレる不安から解放され、安心して副業を始められます。
この記事では、副業を始めたいけれど個人事業主になりたくないと考えている方に向けて、
- 雑所得として扱われやすい副業の具体例
- 個人事業主にならないために押さえるべき判断基準と注意点
上記について、Web制作と副業支援の実務経験を活かして、分かりやすく解説しています。
自分に合った副業を見つけ、無理なく収入を得るための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
副業でも個人事業主にならないための3つの基本ルール
副業をしていても「個人事業主」とみなされないためには、収入の性質や活動の実態に注意する必要があります。
税務上は、継続的かつ営利性のある活動は「事業所得」として扱われることがあります。つまり、たとえ開業届を提出していなくても、実態次第では個人事業主とみなされる可能性があるのです。
そこでここでは、個人事業主と判断されないために知っておくべき3つの基本ルールについて解説します。
継続性と営利性が判断基準になる理由とは?
税務署が副業を「事業所得」として扱うかどうかの主な基準は、継続性・反復性・営利性の3点です。
- 継続性:同じような活動を長期間にわたって行っているか
- 反復性:単発ではなく、繰り返し同じような行為をしているか
- 営利性:利益を得ることを主な目的としているかどうか
例えば、毎月フリマアプリで手作りアクセサリーを販売し、宣伝活動も行っている場合、営利目的で継続的に行っていると判断されやすくなります。
一方で、たまたま不要品を売却した程度であれば、継続性・営利性は認められにくく、雑所得か、場合によっては課税対象外と判断されることもあります。
「そんなつもりじゃなかったのに…」と思っても、実態で判断される点に注意が必要です。
雑所得と事業所得のちがいを簡単に理解しよう
副業で得た収入は、原則として「雑所得」か「事業所得」のいずれかに区分されます。
- 雑所得:
単発または趣味的な活動からの収入で、事業としての継続性や営利性が弱いもの - 事業所得:
反復的かつ継続的に行われ、営利を目的とした収入。事業と認定されると、開業届の提出や青色申告の対象になります
判断が難しい場合は、収入の額だけでなく、「営業活動をしているか」「取引先との契約があるか」「広告や告知をしているか」といった具体的な状況を踏まえて総合的に判断されます。
国税庁の事例でも「フリマ販売でも反復的・継続的であれば事業所得になる場合がある」と明記されています(※国税庁「所得税基本通達」参照)。
つまり、「雑所得にしたつもり」でも、税務署の判断によっては事業所得とされる可能性があるという点を理解しておくことが重要です。
開業届を出さずに収入を得る副業の考え方
副業でも、開業届を出さずに「雑所得」として収入を得る方法は十分にあります。
以下のような副業は、一般的に雑所得として処理されやすい傾向があります。
- ポイントサイトの利用:サービス利用に応じたポイント収入
- アンケートモニター:単発のアンケート回答による謝礼
- クラウドソーシングでの単発ライティング:不定期かつ少額の業務受託
これらの副業は、継続性や営利性が弱く、個人事業主とみなされるリスクが低いと考えられます。
ただし、年間所得(※収入ではなく「経費を差し引いた後の利益」)が20万円を超えると、確定申告が必要になりますので注意が必要です。
「少しだけ副業したい」「会社にバレずに副収入を得たい」という方は、まずこうした雑所得扱いになりやすい副業から始めると安心です。
雑所得として扱われやすい副業の具体例
副業でも「個人事業主」にならずに済ませたい方は、「雑所得」として扱われやすい副業を選ぶのが賢明な選択です。
税務署では、継続性や営利性のある活動を「事業所得」と判断することがありますが、規模が小さく一時的な収入であれば、多くの場合は雑所得に分類されます。雑所得は開業届の提出義務がなく、申告や税務の面でも比較的シンプルに管理できます。
ここでは、雑所得として扱われやすい副業の代表例と、それにまつわる確定申告の注意点について解説します。
ポイントサイトやアンケートなどの低リスク副業
短時間・単発型の副業は「雑所得」と判断されやすく、個人事業主とは見なされにくい傾向があります。
例えば、以下のような活動は税務上も比較的リスクが低いとされています。
- ポイントサイトの利用:広告視聴や商品購入によるポイント獲得。現金化した場合は雑所得として申告対象になりますが、少額で一時的なら申告不要となるケースもあります。
- アンケートモニター:企業からの調査協力に対する報酬。1回ごとの報酬が数十円〜数百円と小規模で、継続的でなければ雑所得として扱われるのが一般的です。
- アフィリエイト報酬(単発・少額):成果報酬型広告の収益で、まだ収益が安定していない初期段階のケース。反復性がなければ事業とは見なされにくいです。
「ちょっとしたお小遣い稼ぎ」として副業を始めたい人にとっては、こうした低リスク副業が最初の選択肢となるでしょう。
フリマ・ハンドメイド・クラウドワークスの扱い
一見すると「販売=事業」と思われがちなフリマアプリやハンドメイド販売も、条件によっては雑所得に分類される可能性があります。
ポイントは、以下の2点です。
- 営利目的かどうか:継続して利益を出すことを前提としているか。
- 反復性があるかどうか:同じような取引を繰り返しているか。
たとえば、
- フリマアプリ(メルカリなど):不用品を売るだけであれば課税対象外。ただし、仕入れて転売している場合は営利性が認められやすくなります。
- ハンドメイド販売:趣味の延長で年に数回程度の出品なら雑所得になりやすいですが、頻繁な販売・収益目的であれば事業と判断される可能性があります。
- クラウドワークス等の単発受注:継続性や営利性が薄く、趣味や副収入程度の位置づけであれば雑所得扱いされるケースが一般的です。
「たまたま1回売っただけなのに、税務署に目をつけられたらどうしよう…」と不安に思う方もいるかもしれません。そうした場合でも、上記のような判断基準を知っておくことで冷静に対応できるようになります。
年間20万円以内の収入なら確定申告は不要?
給与所得がある方が副業で得た収入について、年間20万円以下であれば確定申告が不要とされるケースがあります。
これは国税庁が定める「所得税法第120条」に基づく基準であり、具体的には以下のようになります。
- 雑所得が年間20万円以下:給与所得者の場合、確定申告が免除される。
- 経費差し引き後の所得で判定:収入額ではなく、収入から必要経費を引いた「所得額」が20万円以下かどうかで判断されます。
たとえば、クラウドソーシングで収入が18万円あっても、必要経費が3万円あれば、所得は15万円となり、申告は不要となる可能性があります。
ただし注意点もあります。
- 住民税の申告は必要な場合がある:確定申告が不要でも、住民税の申告が自治体によって求められることがあります。
- 所得が20万円を超えたら申告必須:超えた時点で確定申告が必要になるため、年間の収入と経費は必ず記録しておきましょう。
「バレなければ大丈夫」と思っていると、後で思わぬ追徴課税につながることもあるため、収入の管理はしっかり行うことが大切です。
個人事業主扱いを避けたい人のための副業選びの注意点
「副業で稼ぎたいけれど、個人事業主になって面倒な手続きは避けたい」という方は多いでしょう。
税務上「事業所得」と判断されると、開業届や確定申告が必要になるだけでなく、社会保険や住民税への影響も無視できません。そこで重要になるのが、「どのような副業なら個人事業主と見なされないか」というポイントの見極めです。
ここでは、個人事業主とみなされないための副業の特徴やリスクを、制度上の判断基準とともに詳しく解説します。
「仕事」とみなされないために押さえるポイント
副業が「仕事=事業」と見なされるかどうかは、税務上いくつかの判断基準があります。
特に重視されるのは「継続性」「営利性」「独立性」の3点です。つまり、単発的な作業であったとしても、それを繰り返し行い、利益を出そうとする意思があれば、「雑所得」ではなく「事業所得」とされる可能性が高まります。
具体的には、以下のような場合には注意が必要です。
- 同じ業務を継続的に受注している:例えば、毎月クラウドワークスでライティング案件を請け負っている。
- 成果報酬が明確で営業活動を伴う:自分で顧客を探している場合は、営利性が強いと見なされやすい。
- 取引先との契約書がある:契約関係が継続的で、対価も安定している場合は「仕事」と判断される可能性が高くなります。
「自分は趣味の延長でやっているだけ」と感じていても、税務署は実態で判断します。「これはちょっと稼ぎすぎかも…」と感じたら、一度立ち止まって確認しておくことが大切です。
営利目的や反復性がある場合のリスクとは?
副業が「営利目的」で「反復継続されている」と判断されると、「雑所得」ではなく「事業所得」として扱われ、開業届の提出や青色申告の対象になります。
営利目的とは、「利益を得る意志」があるかどうかです。これは明文化されている必要はなく、客観的に見て収益性があると判断されれば該当します。
また、反復性についても、月に数回以上の継続的な活動があれば「一時的」とは見なされません。
このように判断されると、以下のような負担が発生する恐れがあります。
- 開業届の提出義務:提出しないと青色申告ができず、税務署から指摘されるリスクも。
- 帳簿付けと確定申告が必要:副業の取引内容を詳細に記録して、所得を計算する必要がある。
- 事業税や社会保険料の増加:事業規模によっては、追加で支払う義務が発生する場合があります。
「そこまでのつもりじゃなかったのに…」というケースは意外と多いため、収益が安定してきた段階で、所得区分の見直しを検討することが重要です。
開業の意図がなくても事業所得になるケースに注意
「開業届を出していないから個人事業主ではない」と思っていても、税務署の判断は実態ベースです。
たとえ本人に開業の意図がなかったとしても、収益が安定し、明らかに反復性・継続性・営利性がある副業は「事業所得」とされる可能性があります。
代表的な例としては、以下のようなケースです。
- SNS経由でハンドメイド商品を販売している:商品紹介や顧客対応を行っている場合、ビジネスと判断されやすい。
- 毎月数万円の副収入が継続して発生している:単発ではないとみなされるため、注意が必要です。
- 複数の取引先とやり取りしている:副業の内容が発展し、規模が拡大してきた場合にはリスクが高まります。
このような場合、たとえ「趣味の範囲」と思っていても、税務署から問い合わせがある可能性があります。
事前に「自分の副業はどの所得に分類されるのか」を明確にし、不安があれば税理士など専門家に相談するのが安全です。
以上のポイントを把握しておくことで、「知らないうちに個人事業主扱いになっていた…」というリスクを避けることができます。
会社にバレずに副業するための税金対策
副業で収入を得ても会社にバレないようにするには、「住民税の納付方法」や「確定申告時の書き方」に注意が必要です。
副業が会社に知られる主な理由は、税務署ではなく市区町村が会社へ通知する住民税の納付情報にあります。副業で得た収入が住民税の計算に影響すると、会社が徴収する住民税額が増え、「副業しているのでは?」と気づかれる可能性があるのです。
以下では、会社にバレずに副業を行うための具体的な税金対策を3つの視点から解説します。
住民税を「普通徴収」にするメリットと手順
副業で得た収入にかかる住民税を「普通徴収」に設定することで、会社経由でなく自分で納付できるようになります。
副業の所得を「普通徴収(自分で支払う方式)」にすると、本業の給与から引かれる住民税とは別に処理されるため、会社にはその分の副収入が通知されません。「副業が会社にバレた」というケースの多くは、住民税をまとめて「特別徴収(会社が給与から天引き)」にしていたことが原因です。
設定方法は、確定申告書の第二表「住民税に関する事項」欄で「自分で納付」にチェックを入れるだけです。書き忘れると自動的に特別徴収となり、会社に副収入が知られるリスクが高まるため注意しましょう。
「バレるかもしれない…」と不安な方は、まずこの設定を見直すだけでも安心感につながります。
源泉徴収票に副収入が載らないようにするには
副業で得た収入が本業の源泉徴収票に記載されることはありませんが、確定申告の方法次第で影響することがあります。
副業の収入が「給与所得(アルバイトなど)」の場合、年末調整ではなく確定申告で処理する必要があります。このとき、「副業分を合算した一枚の源泉徴収票が発行される」といった誤解をしている方もいますが、実際には会社ごとに別々に発行され、勤務先同士が情報を共有することは通常ありません。
ただし、副業先が「扶養控除等申告書」を提出させると、メインの勤務先と競合する扱いになり、住民税の通知先で矛盾が生じる恐れがあります。副業先ではこの書類は提出せず、「乙欄」扱い(税率20.42%)で処理するのが無難です。
確定申告の際も、住民税の欄で「普通徴収」にチェックを忘れずに。形式上のミス一つで「会社に通知される」リスクが生じてしまうのです。
税務署に目をつけられない副業スタイルとは?
税務署に副業を疑われないためには、「事業性のない副収入」にとどめることが重要です。
副業が「反復性・継続性・営利性」を持つと、たとえ開業届を出していなくても「事業所得」とみなされ、確定申告の義務が発生します。税務署が注視するポイントは、金額だけでなく、活動の頻度や継続期間にもあります。
以下のような副業は、比較的リスクが低く、雑所得にとどまるケースが多いとされています。
- ポイントサイトやアンケート:収入の金額が小さく、営利目的ではないものが多い
- フリマアプリの不定期販売:不要品の処分に近い形で、事業性が薄い
- 単発のクラウドソーシング案件:不定期かつ小規模であれば雑所得扱いの余地がある
これらの副業でも、年20万円を超えると確定申告が必要になります。所得の性質や規模を冷静に見極め、税務署にとって「事業」と映らない範囲での活動を意識しましょう。
安心して副業を続けるには、「目立たず、稼ぎすぎず、繰り返さない」が基本姿勢と言えるかもしれません。
まとめ:副業で個人事業主にならずに収入を得るには
今回は、副収入が必要だけれど煩雑な手続きやリスクは避けたい方に向けて、
- 雑所得として扱われやすい副業の種類と注意点
- 個人事業主とみなされないための基本ルール
上記について、Web制作・SEO支援の実務経験をもとに丁寧に解説してきました。
副業でも収入の性質と継続性を意識すれば、個人事業主として扱われずに収入を得ることができます。
制度への理解を深め、安心できる副業スタイルを選ぶことで、不安なく行動に移せるようになります。
まずはリスクの少ない副業から一歩踏み出し、将来の安定と自分らしい働き方を手に入れてみませんか。